日本人の死亡率を下げるためには? 喫煙と血圧管理の重要性
今回は、少し古いですが非常に重要な研究を紹介いたします。この研究は、2011年に発表されたもので、その後も日本人の健康寿命を考える上で非常に貴重な情報となっています。
この研究では、過去50年間で日本人の健康がどのように向上し、長寿を達成したのかを調査しています。主に、1950年から2008年までの死亡率データと原因別の死因データを使用し、日本人の健康改善に貢献した要因を分析しました。
その結果、死亡率を下げるために特に重要な予防可能なリスク因子として、喫煙と高血圧が挙げられています(下図)。

喫煙の影響
喫煙は日本における主要な健康リスク要因であり、タバコが原因となる死亡者数はもっとも多いことが示されています。もし喫煙が完全になくなれば、男女ともに寿命が大きく延びると予測されます。喫煙の影響を減らすことが、日本人の健康寿命を延ばすためには非常に重要です。
現在、タバコはコンビニエンスストアで簡単に購入できますが、日本人の健康を守り、不要な医療費の増加を防ぐためには、タバコの販売ルートを薬局などに限定し、健診データに基づき健康リスクがない方にのみ販売するなど、行政による対策が必要だと強く感じています。実際、禁煙ができない理由としてコンビニで販売しており簡単に購入できてしまうからと回答する方も珍しくありません。
高血圧の管理
高血圧も死亡数に大きな影響を与えており、日本人がタバコをやめ、血圧を適切に管理できれば、心血管疾患や癌による死亡を大幅に減少させることができると考えらます。これにより、健康寿命を延ばすことが可能です。
その他のリスク因子
さらに、運動不足、高血糖、過剰な塩分摂取、アルコール摂取、肥満なども健康に影響を与える要因です。これらのリスク因子に対する予防や改善が求められています。
(文責:すぎもと内科・糖尿病内科クリニック院長 杉本一博)