コラム
日本の厳しい抗肥満薬(ウゴービ/ゼップバウンド)適応基準と当クリニックの自由診療対応について
当クリニックでは、抗肥満薬であるセマグルチド(商品名:ウゴービ)およびチルゼパチド(商品名:ゼップバウンド)を用いた治療を自由診療としてご提供いたします。
■ 自由診療とする理由
厚生労働省が定める「最適使用推進ガイドライン」による適応基準は、非常に厳格です。
そのため、他の先進国であれば治療の対象となる多くの方が、日本では処方対象にならないという現状があります。
実際、当クリニックの院長は日本肥満学会の認定専門医ですが、当クリニックは学会認定の教育施設ではないため、保険診療でこれらの薬剤を処方することができません。
■ 日本の保険診療での処方条件(抜粋)
| 項目 | 要件 |
| ① 合併疾患の有無 | 高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかが診断されていること |
| ② 合併疾患の治療状況 | 上記①のいずれかに対して薬物療法を含む適切な治療が行われていること |
| ③ 肥満の程度 | BMI35以上 または BMI27以上かつ肥満関連疾患を2つ以上有すること |
| ④ 肥満に関連する健康障害 | 耐糖能障害、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症、冠動脈疾患、脳梗塞、脂肪肝、月経異常・不妊、睡眠時無呼吸、運動器疾患、腎臓病など |
| ⑤ 生活習慣療法の実施 | 6か月以上の食事・運動療法を継続し、2か月に1回以上の栄養指導を受けていること 取り組み状況が記録等で確認できること |
| ⑥ 処方可能な施設 | 肥満症診療に習熟した常勤の専門医(糖尿病専門医など)が在籍し、かつ日本肥満学会や糖尿病学会等の認定教育施設であること |
このような厳格な基準のため、たとえ重度の脂肪肝、睡眠時無呼吸、関節障害などがあっても、保険診療では処方できないケースが少なくありません。
■ 各国の基準との比較
| 国・地域 | 対象BMI・併存疾患 | 生活習慣療法の要件 | 処方可能な医師・施設 |
| 🇯🇵 日本 | BMI35以上 または BMI27以上+併存疾患2つ以上 +高血圧・脂質異常症・2型糖尿病の診断と薬物療法が必要 | 6か月以上の治療+2か月毎の栄養指導+記録確認 | 学会認定教育施設+専門医在籍 |
| 🇺🇸 アメリカ | BMI30以上 または BMI27以上+併存疾患(診断のみで可) | 6か月以上の介入+記録提出 | 原則すべての医師・施設で可能 |
| 🇨🇦 カナダ | 同上 | 3〜6か月の生活習慣介入(医師主導) | すべての医師・施設で可能(保険では専門紹介が必要) |
| 🇬🇧 イギリス | 同上 | 12週以上の生活習慣介入 | 保険診療では専門施設のみに限定 |
| 🇩🇪 ドイツ | 同上 | 明文化なし | 全医師・施設で可能(保険適用外) |
| 🇸🇪 北欧 | 同上 | 地域差あり/明文化なし | 全医師・施設で可能 |
日本国内では現時点の制度上、多くの方が保険診療では治療対象外とされてしまうため、当クリニックでは科学的根拠と専門的判断に基づいた自由診療の提供を行います。
詳細な費用や適応については別ページ(糖尿病および主な関連疾患:肥満症(自由診療))にてご案内しています。
ご不明点があればお気軽にお問い合わせください。