小太りの方が長生きって本当?~肥満サルコペニアの落とし穴~
「少し太っているくらいが長生きする」という話を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際に、年齢によって「最も死亡率が低いBMI(体格指数)」は変化することが、世界的な研究から明らかになっています。
下図は、35〜89歳の東アジア人を対象とした大規模前向き研究(Global BMI Mortality Collaboration, Lancet 2016)からのデータです。

図の通り、若年層(35〜49歳)ではBMI22前後の方が最も死亡率が低いのに対し、高齢層(70〜89歳)になるにつれて、BMIがやや高め(24〜27程度)の方が最も死亡率が低くなる傾向が見られます。
これは「加齢とともに、ある程度の栄養蓄えが生存に有利になる」ことを示唆しています。
**BMI(Body Mass Index:体格指数)**とは、体重と身長から算出される、肥満ややせの程度を評価するための指標です。計算式は以下の通りです:

しかし、ここで注意が必要なのが「肥満サルコペニア」と呼ばれる状態です。
これは、体脂肪が多い一方で、筋肉(特に四肢の骨格筋)が少なくなっている状態(サルコペニア)で、見た目は「小太り」でも実はリスクが高いことが知られています。
つまり、単純な体重やBMIだけで健康リスクを判断するのは不十分なのです。
実際、肥満サルコペニアのある成人は、肥満もサルコペニアもない群に比べて全死亡リスクが約1.21倍(95% CI 1.10–1.32)と有意に上昇していると報告されています(Zhang X.et al. BMC Geriatr. 2019;19(1):183)。
そこで重要なのが、「体脂肪」と「筋肉量」を同時に測定することです。
当クリニックでは、これらを簡単にチェックできる体組成分析装置「InBody」を導入しています。
検査は自由診療で、税込み550円で受けられます。気になる方はぜひスタッフまでお気軽にお声がけください。