ウゴービ・ゼップバウンドによる肥満症治療について(自由診療)
当クリニックでは、抗肥満薬であるセマグルチド(商品名:ウゴービ)およびチルゼパチド(商品名:ゼップバウンド)を用いた治療を、自由診療として提供いたします。
✅保険診療での対象者の現状
現状では、ウゴービ・ゼップバウンドの添付文書に記載された本来の処方条件を満たしても、より厳格な厚生労働省ガイドラインの追加条件を満たさないと保険診療でウゴービ・ゼップバウンドを処方することはできません。
添付文書と厚生労働省ガイドラインとの違い:
- 厚生労働省ガイドラインではウゴービ・ゼップバウンド処方する条件として、なぜか「高血圧」「脂質異常症」「2型糖尿病」の3疾患のいずれかに限定して薬物療法が行われていないと処方不可となります。これでは高度肥満症により命にかかわるような重症の睡眠時無呼吸症候群を持つ方、高度な運動器疾患で深刻な体動困難となり生活の質が著明に悪化している方、脂肪肝が高度で肝硬変に進行するリスクを持つ方などに有効な治療薬を提供できないことになります。
- 様々な事情で6ヶ月間継続して食事療法+運動療法を継続できない場合も処方不可となります。結果として、このような方々に有効な治療薬が提供されないまま肥満症の病状が進行してしまう可能性があります。
実際本来の添付文書で処方適応と推定される方のごく一部しか保険診療でウゴービ・ゼップバウンドの処方がなされていないと推定されます。
※以下はウゴービ・ゼップバウンドの認可された添付文書と厚生労働省「最適使用推進ガイドライン」との違いをまとめた表です。
| 項目 | 認可された添付文書 | 厚生労働省ガイドライン |
| ① 合併疾患の有無 | 以下のいずれか1つ以上が診断されていること: ・高血圧 ・脂質異常症 ・2型糖尿病 | 以下のいずれか1つ以上が診断されていること: ・高血圧 ・脂質異常症 ・2型糖尿病 |
| ② 合併疾患の治療状況 | 記載なし | 上記①の疾患のいずれか1つ以上について、本剤を始める前から薬物療法が行われていること |
| ③ 肥満の程度 | 以下のいずれかを満たすこと: ・BMI 35 kg/m²以上 ・BMI 27 kg/m²以上 かつ 下記の「肥満に関連する健康障害」を2つ以上有すること | 以下のいずれかを満たすこと: ・BMI 35 kg/m²以上 ・BMI 27 kg/m²以上 かつ 下記の「肥満に関連する健康障害」を2つ以上有すること |
| ④ 肥満に関連する健康障害 | (1)耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常) (2)脂質異常症 (3)高血圧 (4)高尿酸血症・痛風 (5)冠動脈疾患 (6)脳梗塞 (7)非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD) (8)月経異常・不妊 (9)閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群 (10)運動器疾患 (11)肥満関連腎臓病 | (1)耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常) (2)脂質異常症 (3)高血圧 (4)高尿酸血症・痛風 (5)冠動脈疾患 (6)脳梗塞 (7)非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD) (8)月経異常・不妊 (9)閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群 (10)運動器疾患 (11)肥満関連腎臓病 |
| ⑤ 生活習慣療法の実施状況 | 食事療法・運動療法の期間・頻度の記載なし | ・6か月以上、施設内での食事療法+運動療法を継続・この期間中、2か月に1回以上の栄養指導(管理栄養士)を受けている ・受診者本人の記録や確認を通じて、取組みが継続されたことを確認 |
さらに厚生労働省ガイドラインではウゴービ・ゼップバウンドは以下のごく限られた学会の認定教育施設でのみ保険適用での処方が可能ということになります。
【厚生労働省の定めたウゴービ・ゼップバウンドを使用できる施設基準】
| No. | 項目 | 基準内容 |
| ① | 医師要件 | 肥満症診療に習熟した常勤の専門医(例:糖尿病専門医、内分泌代謝専門医など)が在籍していること |
| ② | 多職種チーム体制 | 管理栄養士、運動指導者、看護師、薬剤師などによるチーム医療体制が整っていること |
| ③ | 生活習慣療法の提供実績 | 対象患者に対し、6か月以上の食事療法・運動療法を指導・管理した実績があること |
| ④ | 栄養指導体制 | 2か月に1回以上の頻度で、管理栄養士による個別栄養指導を実施できる体制があること |
| ⑤ | 診療ガイドラインへの準拠 | 肥満症および合併疾患(高血圧、脂質異常症、2型糖尿病)に関する最新の診療ガイドラインに準拠した診療ができること |
| ⑥ | 合併症治療体制 | 合併する高血圧、脂質異常症、2型糖尿病に対し、薬物療法を含む適切な治療が行えること |
| ⑦ | 記録・管理体制 | 患者の食事・運動・栄養指導の内容などについて、継続的な記録と管理が行えること |
| ⑧ | 教育機関としての水準 | 日本肥満学会・日本糖尿病学会・日本循環器学会・日本内分泌学会の認定教育施設であること |
✅ 当クリニックの診療体制
当クリニックでは、以下の体制により、専門的かつ安全な肥満症診療を実施可能です。
- 院長は日本糖尿病学会および日本肥満学会の専門医
- 管理栄養士(糖尿病療養指導士資格保有)・看護師が常勤
- 食事療法・運動療法・栄養指導の実績あり
- 肥満症および合併症に関する最新ガイドラインに準拠した診療体制
- 記録・フォロー体制の整備済み
※ただし、当クリニックは現時点で学会認定の教育施設ではないため、保険適用での薬剤処方は行えません。
✅ 自由診療での対象者と方針
以下の要件を満たす方を対象に、自由診療にて肥満症治療を行います。
【対象となる方】
- 高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかが診断されている方
- BMIが35以上、またはBMI27以上で肥満関連の健康障害を2つ以上有する方
- 過去に食事・運動療法を行っても十分な効果が得られなかった方
- 当クリニックにて継続的に食事療法の支援を受けられる方
※治療は美容目的ではなく、医学的評価により必要性が確認された方に限ります。
✅ 治療の流れ(例)
- 初診時:
肥満症や合併症の医学的評価を実施(この段階は保険診療) - ウゴービ・ゼップバウンドの添付文書の適応条件を満たす場合:
当クリニックで処方の希望の方は自由診療へ移行します。
✅ 自由診療費用
💴 診療費
| 項目 | 内容 |
| 自己注射指導管理費 | 月額16,500円(税込)一律 |
| 再診料 | 保険点数に基づく金額10割+消費税(10%)相当 |
| 検査費 (検査がある場合のみ) |
※詳しい費用や投与スケジュールについては、個別にご説明いたします。
💴 薬剤費(みずき調剤薬局日和田店さまの許可を得て掲載しております)
| ウゴービ規格 | 自己負担額(4週分) |
| 0.25mgペン 1.0MD | ¥8,020 |
| 0.5mgペン 2.0MD | ¥12,980 |
| 1.0mgペン 4.0MD | ¥22,200 |
| 1.7mgペン 6.8MD | ¥34,350 |
| 2.4mgペン 9.6MD | ¥45,980 |
| ゼップバウンド規格 | 1キット(1週分) | 2キット(2週分) |
| 2.5mgアテオス | ¥4,570 | ¥7,630 |
| 5mgアテオス | ¥7,300 | ¥13,090 |
| 7.5mgアテオス | ¥9,220 | ¥16,940 |
| 10mgアテオス | ¥10,500 | ¥19,500 |
| 12.5mgアテオス | ¥11,680 | ¥21,860 |
| 15mgアテオス | ¥12,740 | ¥23,980 |
※価格は薬価改定等で変更の可能性あります。
✅ 期待される効果(臨床試験より)
例:BMI ≥ 30(または27以上+合併症)の肥満成人に投与した場合:
- ウゴービ(セマグルチド)
:最大用量(2.4mg/週)まで増量した場合(約5か月間)、1.5年後の平均で体重の約14%減少が報告されています。 - ゼップバウンド(チルゼパチド)
:最大用量(15mg/週)まで増量した場合(約6か月間)、1.5年後の平均で体重の約20%減少が報告されています。
(Aronne L.J. et al. N Engl J Med. 2025; PMID: 40353578/SURMOUNT-5 Trial)
| 薬剤 | 3ヶ月 | 6ヶ月 | 12ヶ月 | 72週(1.5年) |
| ウゴービ (セマグルチド) | −3.3% | −5.0% | −6.2% | 約−13.7% |
| ゼップバウンド (チルゼパチド) | −5.3% | −8.2% | −11.4% | 約−20.2% |
※上記は2型糖尿病のない方の結果です。2型糖尿病例では体重減少効果が2/3程に減弱する可能性が報告されています(Rodriguez P.J. et al. JAMA Intern Med. 2024;184(9):1056-1064)。
✅ 副作用について
ウゴービおよびゼップバウンドは、体重減少に大きな効果が期待できる一方で、以下のような副作用が報告されています。
主な副作用(いずれも比較的よく見られます):
- 吐き気・便秘・下痢・腹痛などの消化器症状(多くは投与初期にみられ、徐々に軽快します)
- 食欲低下・満腹感の亢進
- 倦怠感・頭痛 など
ごくまれに見られる副作用:
- 胆嚢疾患、膵炎、腎機能の変動
- 抑うつ気分・不安・希死念慮などの精神的症状(頻度は非常に低いですが注意が必要です)
消化器症状による中止率:
ウゴービ:約5~6%、ゼップバウンド:約2~3%
安心して治療を継続するために
- 当クリニックでは、治療開始時に少量から段階的に増量することで副作用を抑えるとともに、必要に応じて採血・栄養支援を通じて、副作用の有無や体調の変化を丁寧にフォローアップいたします。
- 副作用または持病の悪化等により医師が自由診療継続困難と判断した場合、すみやかに保険診療に移行し適切な対応をいたします。
万が一、重篤な副作用が発生した場合には国の「医薬品副作用被害救済制度」に申請可能です。ただし、いくつかの条件を満たす必要があります。
救済制度の対象とならない例:
- 美容目的で適応外使用された場合
- 自己判断で使用した場合
- 用量や用法を逸脱した使用があった場合
📞 お問い合わせ
不安な点があれば、いつでも医師・スタッフにご相談ください。
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代表電話:024-968-2311
(文責杉本一博)