【NEW】肥満は「見た目」の問題ではありません~体重は、「からだ」と「こころ」将来の健康寿命に関わります ~
「少し体重が多いだけ」「年齢のせいだから仕方ない」
そう思われる方も多いかもしれません。
しかし、欧米(西ヨーロッパ・北米)で行われた約90万人を対象とした大規模研究では、
最も長生きする体格指数(BMI)は22.5〜25前後であることが示されています。
これは、日本人の研究結果ともよく一致しています。
📝:BMI(ビーエムアイ)とは、体重と身長のバランスをみる指標です。
体重(kg)を、身長(m)×身長(m) で割って計算します。
≪計算式≫ BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m)²
(例)身長160cm(1.6m)、体重60kgの場合 …… 60 ÷(1.6 × 1.6)= BMI 23.4

BMIが25を超えると、男女とも死亡率が上昇します。
次の図では、BMIが25を超えると男女ともに生存率が下がることが示されています。

- BMIが40を超える高度肥満では
- 男性:70歳までに約半数が死亡
- 女性:80歳までに約6割が死亡
する可能性が示されています。
これは「体重が多い人は早く亡くなる」という単純な話ではなく、
肥満に伴って起こる病気が、寿命に大きく影響することを表しています。
極端なやせにも注意が必要です
一方で、BMIが18.5未満のやせすぎでも、
高齢になるにつれて体力や免疫力が低下し、死亡リスクが高まる(BMI35よりリスクが高い)ことが知られています。
👉 大切なのは「太りすぎず、やせすぎず、自分に合った体重を保つこと」です。
肥満が引き起こす主な健康障害
肥満は、次のような多くの病気と深く関係しています。

- がん(大腸がん、乳がん、肝がん など)
- 心筋梗塞・狭心症
- 脳卒中
- 2型糖尿病
- 高血圧
- 脂質異常症
- 睡眠時無呼吸症候群
- 脂肪肝(MASH)
- 肥満関連腎症
これらが重なり合うことで、将来の死亡リスクが高まります。
高度肥満と「こころの健康」について
高度肥満(BMIが高い状態)では、「からだ」の病気だけでなく、
うつや不安など「こころの問題」を抱える方が少なくありません。
実際、多くの研究で、
- 気分が落ち込みやすい
- 不安が強くなる
- 自信を失いやすい
- 人と会うことがつらくなる
といった状態が起こりやすいことが報告されています。
なぜ、「こころ」の負担が大きくなるのでしょうか?
理由はひとつではありません。
- 体重による 身体的なつらさ(息切れ、痛み、疲れやすさ)
- 病気が重なりやすいことによる 将来への不安
- 周囲の目や、無意識の偏見による 精神的ストレス
- 睡眠時無呼吸症候群などによる 睡眠の質の低下
これらが重なり、
生活の質(QOL:日常生活の満足度) が下がってしまうことがあります。
「気持ちの問題」は、決して「弱さ」ではありません
「こころ」の不調は、
❌ 気の持ちよう
❌ 意志の弱さ
ではありません。
「からだ」と「こころ」はつながっています。
体調が変われば、「こころ」の状態も影響を受けます。
📝当クリニックでは、
星総合病院さまと連携し、「こころの健康」を支える取り組みも行っています。
これは、
👉 専門の医療機関と連携して、心身の状態を一緒に見守る体制で、
👉 国(東北厚生局)から「心の連携指導料(I)」として正式に認可されています。
「からだ」と「こころ」を、別々に考えません
- 体重のこと
- 血糖・血圧・脂質のこと
- 睡眠や気分のこと
これらはすべて、つながっています。
「からだの治療をしているけれど、気持ちがつらい」
「こころの不調があって、からだのことまで手が回らない」
そんなときも、一人で抱え込まず、安心してご相談ください。
私たちが大切にしていること
当クリニックでは、
- 「からだ」、病気だけをみる診療ではなく
- 生活の質(QOL)と「こころ」の状態も含めた医療
- 必要に応じて 専門医と連携したサポート
を大切にしています。
👉 「からだ」も、「こころ」も、どちらも大切にする治療
それが、長く元気に過ごすための第一歩です。
肥満のある方へ:今日からできる大切なこと
肥満がある場合、
体重を少し減らすだけでも、健康への効果は大きいことが分かっています。
特に大切なのは:
- 無理のない 減量(5〜10%でも十分効果あり)
- 併存しやすい
2型糖尿病・高血圧・脂質異常症・睡眠時無呼吸症候群・心の問題
を放置せずきちんと管理すること
👉 「体重を責める」のではなく、
👉 「将来の自分を守るための体重と健康管理」を一緒に考えていきましょう。
最後に
体重は、あなたの価値を決めるものではありません。
しかし、体重は 健康と寿命を左右する大切なサインです。
「今からでも遅くないかな?」
そう思った時が、始めどきです。
私たちは、
無理なく・安全に・続けられる方法を一緒に考えます。
気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
(文責:すぎもと内科・糖尿病内科クリニック杉本一博)