週1回でいいインスリン治療という新しい選択肢~「毎日打たなくてもいい」時代が始まっています~
糖尿病の治療で「インスリン」と聞くと、
「毎日注射しなければならない」
「大変そう」「怖い」
そんなイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
しかし近年、週に1回だけ注射するインスリンという、新しい治療の考え方が登場しています。
そもそも、誰が週1回インスリンの対象になるの?
インスリンが必要な2型糖尿病の方は、基本的に誰でも候補になり得ます。
特に、次のような方には大きなメリットがあります。
✔ 毎日の注射が負担になっている方
- 忙しくてつい打ち忘れてしまう
- 毎日注射すること自体がストレス
- 注射が怖い、苦手
✔ 生活リズムが不規則な方
- シフト勤務・夜勤がある
- 出張や旅行が多い
- スポーツや運動量が多い
✔ サポートが必要な方
- ご家族や介護者に注射を手伝ってもらっている
- 治療が複雑で続けにくい
こうした方にとって、
「週1回で済む」というだけで、治療のハードルは大きく下がります。
週1回インスリンの何が良いの?
主に次の3つのメリットが強調されています。
① 注射の回数が大幅に減る
毎日→週1回になることで、
身体的・心理的な負担が軽くなります。
② 低血糖が起こりにくい
血糖を安定させる設計のため、
危険な低血糖が少ないことが報告されています。
③ 治療を続けやすくなる
- 打ち忘れが減る
- 「できている」という安心感
- 治療への前向きな気持ち
結果として、治療の継続(アドヒアランス)が良くなることが期待されます。

【📝1日1回インスリンと週1回インスリンの違い(比較表)の見方】
この表は、1日1回打つインスリンと週に1回打つインスリンの違いを、
生活のしやすさという視点から分かりやすくまとめたものです。
どちらの治療も、血糖値を安定させるという目的は同じですが、
注射の回数や生活への影響に違いがあります。
🔹1日1回インスリンについて
1日1回インスリンは、毎日ほぼ同じ時間に注射を行います。
そのため、生活リズムが一定している方や、
毎日の注射に特に負担を感じない方に向いています。
一方で、忙しい日や体調の変化があると、
打ち忘れや負担を感じやすい場合があります。
🔹週1回インスリンについて
週1回インスリンは、同じ曜日に1回だけ注射する治療です。
注射回数が少ないため、
身体的・心理的な負担が軽くなり、治療を続けやすいという特徴があります。
また、旅行や外出、シフト勤務など、
生活リズムが不規則な方にも適しています。
🔹 大切なポイント
- どちらの治療も、血糖値を安定させる効果を目的としています
- 「週1回だから効果が弱い」「毎日でないと効かない」ということはありません
- 皆さまの生活スタイルやご希望に合わせて選択することが大切です
- また2025年12月1日からは長期処方(2週間以上)も可能になりました。
「使い方が難しそう…」と思われがちですが
週1回インスリンは、最初は
「今までと違う」「難しそう」
と感じる方もいます。
しかし実際には、
- 週に1回、決まった曜日に注射
- 血糖値を見ながら少しずつ量を調整(もちろん、インスリン治療に詳しい医師が行います)
週に1回以外は、これまでの1日1回のインスリンと同じ使い方です。
一度慣れてしまうと、
「毎日注射していた頃より楽」
と感じる方も少なくありません。
まとめ
インスリン治療は、もっと“続けやすく”できる
週1回インスリンは、「特別な人のための治療」ではありません。
治療が必要な多くの2型糖尿病の方にとって、続けやすさを高める新しい選択肢です。
インスリン治療で大切なのは、「正しく使い続けられること」。
もし
- 毎日の注射がつらい
- 治療が負担になってきた
- これからインスリンを始める予定
そんなときは、
「週1回という方法もある」ことを、ぜひ知っておいてください。
当クリニックでは、
できるだけ体にやさしく、無理のない治療を心がけています。
気になることがありましたら、いつでもお声かけください。
⚠️ 注意事項(必須)
※すべての方に週1回インスリンが適しているわけではありません
※病状や併用しているお薬により、適した治療は異なります
※詳しくは主治医にご相談ください
(文責:すぎもと内科・糖尿病内科クリニック杉本一博)