糖尿病予備群は「予備」ではありません!~世界で進む病名修正の動き~
「糖尿病予備群だから、まだ大丈夫」
そう思っていませんか?
実はこの考え方自体が、今、世界で見直され始めています。
🧠 糖尿病予備群=“まだ病気ではない”は誤解
従来、「糖尿病予備群」は
👉 糖尿病になる一歩手前の状態
👉 生活習慣に気をつければよい段階
と考えられてきました。
しかし近年、この認識は大きく変わっています。
📊 BMJ 2020が示した衝撃の事実
約1,000万人を対象とした大規模解析(BMJ 2020)では、
糖尿病予備群の段階ですでに以下のリスク上昇が確認されました。
- 全死亡リスク:13%増加
- 心血管疾患:15%増加
- 心筋梗塞など:16%増加
- 脳卒中:14%増加
つまり
「予備」どころか、すでに健康リスクが上昇している状態
であることが明らかになっています。
🧠図の解説〜糖尿病予備群は「まだ大丈夫」ではありません〜

この図は、糖尿病予備群と健康リスクの関係を示したものです。
📊結論
糖尿病予備群の時点で、すでに病気のリスクは上昇しています。
🔴 全死亡
約13%増加
→ すでに寿命への影響が始まっています
🫀 心血管疾患
約15%増加
→ 血管障害は糖尿病前から進行
❤️ 冠動脈疾患
約16%増加
→ 心筋梗塞リスクは早期から上昇
🧠 脳卒中
👉 約14%増加
→ 脳血管も例外ではありません
⚠️なぜ重要か?
多くの方がこう考えがちです。
❌「予備群は糖尿病になってから気をつければいい」
しかし実際は、その前からすでに病気は始まっています。
🧬 糖尿病予備群の正体
糖尿病予備群は単なる「予備」ではなく、
✔ 血管ダメージが始まっている状態
✔ インスリン抵抗性が進行している状態
✔ 動脈硬化が加速している状態
です。
💡 なぜ「病名変更」の議論が起きているのか?
現在、世界では
「糖尿病予備群」という名称を見直すべき」という議論が進んでいます。
理由①:誤解を生む
「予備」という言葉が、「まだ大丈夫」という安心感を与えてしまう
理由②:すでに病態である
BMJの結果からも明らかなように、すでに死亡・心血管リスクは上昇。
これは、「リスク因子」ではなく、進行中の病態です
理由③:治療介入が遅れる
現在、
などで、2型糖尿病への進行抑制・心血管リスク低下が報告されています
しかし
👉「糖尿病予備群=治療対象外」という認識が、介入の遅れにつながっています
🌍 世界で進む「分類の見直し」
最近では、
「糖尿病予備群」を 2型糖尿病のステージ分類に統合する動きが出ています。
例:
- Stage1:正常だが上昇傾向
- Stage2:軽度高血糖(従来の糖尿病予備群)
- Stage3:2型糖尿病
👉 つまり「早い段階から“病気として扱う”」方向へ
🧬 なぜこの段階が重要なのか?
糖尿病予備群は、 糖尿病を止められる最後のタイミングです。
この段階で、
- 体重
- 食事
- 運動
- 血圧・脂質・体重管理
- 必要に応じて薬物療法
を行うことで、
👉 糖尿病の発症や合併症を予防できる可能性が高い
👉 血糖値を正常化(寛解)させる介入が心血管疾患発症や死亡リスクを低下させる(以前のコラム参照:予防は「理想論」ではない ~ 糖尿病予備群への30年間追跡研究が示した衝撃の事実~)
🏥 当クリニックの考え方
糖尿病予備群を
「まだ大丈夫」ではなく、「今が最も重要な治療タイミング」
と考えています。
そのため:
- 早期の血糖評価
- 個別化された生活指導
- 血圧・脂質・体重管理
- 必要に応じた薬物治療
を行い、進行させない医療を実践しています。
🟦まとめ
・ 糖尿病予備群は「予備」ではない
・すでにリスクは上昇している
・ 今が最も重要な分岐点
🔥 最後に
糖尿病は
「なってから治す病気」ではなく、**「進ませない病気」**です。
そしてそのカギは
👉 糖尿病予備群の段階での行動にあります。
🏥 当クリニックからのメッセージ
糖尿病予備群は
- 改善できる最後のチャンス
- 糖尿病を防ぐ分岐点
です。
当クリニックでは
- 早期評価
- 生活習慣の最適化
- 個別化した血圧・脂質・体重管理
- 必要に応じた薬物療法(GLP-1など:自由診療)
により **「進ませない医療」**を提供しています。
(文責:すぎもと内科・糖尿病内科クリニック 杉本一博)